人間ドックで受診が可能な検査として、頭部MRI検査というものがあります。強い磁力を放出するMRI装置を使用することによって、頭部の詳細な断層の写真撮影を行う検査の方法になります。脳梗塞や脳出血などの症状が認められるときには、意識障害や言語障害などの症状が発生して、頭部CT検査を行うことが一般的な検査となります。脳梗塞のケースではCTによって脳の変化が確認されるまでは、症状が発症してから2日から3日かかることが考えられますので、頭部MRIを使用することによって、脳梗塞の早期診断のほうが有用な検査と言うことができます。
人間ドックで多く用いられる検査方法としてCTがありますが、CT検査では骨の影響を受けることが考えられます。MRI検査では骨の影響に関係なく検査をすることが可能で、他の検査では撮影ができない脳幹部や脳梗塞の病変などをはっきりと把握することができます。MRI検査には撮影条件を変えることによって、画像のコントラストについての調整が可能なために、縦からの撮影であったり横からの撮影であったり、あらゆる方向からの断層写真を撮影できる利点があります。放射線を放出しない検査となりますので、被ばくの危険性のない検査と言う点もメリットになります。
脳血管障害のリスクが高まるために人間ドックの受診が推奨される人は、男性の場合は年齢が45歳以上、女性の場合には年齢が55歳以上の方となります。過去に脳梗塞を起こした経験のある人や疑いのある人、糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満、喫煙者、運動不足の人などが適用対象と言えます。